我が家の暖房は、 ペレットストーブ。
『さいかい産業の RS-4』 (現在新越ワークス)
エアコン嫌いの夫婦がリサーチし、数ある暖房設備の中から選びました。
「後悔?」なんて、微塵もありません。
火のある暮らしが心地よすぎて、苦手な冬さえ待ち遠しい。
夕暮れにペレットストーブを点ければ、何気ない日常が、炎ゆらめく別世界に変わるんですから。
「灰の処理?」そのちょっとの手間が、愛着を増しているようにも思えます。
こんなペレットストーブ暮らしも5年目。他の暖房設備と比較して選んだいきさつ、メリット・デメリット、使用感などを伝えます。
ペレットストーブの使い方
ペレットストーブってご存じですか?
ここ横浜では、かなりマイナーな暖房器具です。
我が家の使い方
採用したのはRS-4、家丸ごと温めるつもりで大型を設置しました。(我が家は、おおよそ1F 34畳 2F 21畳。 螺旋階段でつながっている)
焚火や薪ストーブと同じ、輻射熱で部屋を暖めます。
使用するのは、夕暮れから就寝までの、約6時間。
使用時期は、12月下旬~3月上旬の2か月半。
この間のペレットの使用量は、1日に10キロ入りの袋の半分強、1冬に350~400キロです。
これ以上は、暖かすぎて汗をかいてしまいます。
家の断熱をしっかりやったお陰でしょうか、翌朝も、暖かさの余韻が良い感じに残っています。
日々のメンテナンスは朝。専用掃除機で灰を吸い、ガラスの煤を取るだけなので、ほんの5分。
月のメンテナンス、シーズン終了時のメンテナンスは、リタイア夫が嬉々としてやっています。そう、はまるんです・・・
使い心地
暖房は、これだけですから、さすがに大寒の頃は、サーキュレーターを使っても、2階の隅まで暖かいわけではありません。
それでも、体が芯からぽかぽかしていると、苦にならない。
暖かさの質が違うんです、エアコンとは。
ゆらぐ炎がまたよくて・・・
ずっと見てても見飽きません。「癒される~」という言葉がぴったり。ペレットストーブの前には大型犬ならぬ次男が、いつもうたた寝しています。
天板で調理もできます。鍋を載せたり、焼き芋を焼いたりしてると、外国のおとぎ話の世界のような・・・
なんとも心地いい暖房なんです。
ペレットストーブを選んだ理由
こんなお気に入りのペレットストーブですが、行きつくまでには、時間がかかりました。
私たち家族は、エアコンの暖房がとにかく苦手。新しい家の暖房を何にするかは、重点課題でした。
暖房に求めるものはこの4つ。
- 心地よさ
- 家に寒暖差がない
- 環境に負荷が少ない
- 値段が適正
いろいろ探しました。
ペレットストーブ以外
そして、引っ掛かかったのが、ペレットストーブとこの5つ。
- パッシブ換気
- 蓄熱暖房機
- 床暖房
- 薪ストーブ
- 放射冷暖房
1.パッシブ換気
床下に置いたエアコンで、家中の空調を管理するというもの。
設計途中まで大本命でした。建築家が「いい話を聞かない」と反対し、ボツになりました。
きっと、床に格子状の穴が あくのが嫌だったんだ、と思います。
2.蓄熱暖房機
深夜の電気を使って、レンガに蓄熱し、次の日の暖房にします。
単純な機能と、輻射熱で暖めることに好感。
ただ、レンガが詰まっていて、床に補強がいるほど重いこと。次の日の暖房量を考えて、前夜に蓄熱量を決めないといけない。なんだ頭の固い暖房機だと・・・
3.床暖房
フローリングを無垢材で張りたかったこと、温まるのに時間がかかること。そして、メンテナンスも大変そうなので止めました。
4.薪ストーブ
せわしない生活をしていますから、火のお守り、荷が重いと感じました。薪代もバカにならないと聞きますし。
親類の設置した薪ストーブは、外国産の薪じゃないといけないそうで、火か揺らいでるのを見たことがない。これじゃ本末転倒だと思いました。
5.放射冷暖房
中に冷温水を流したパイプを、壁のように設置して、優しく冷暖房します。
一番のネックは高額な費用ですが、冷暖房効果を上げるため、しっかり密閉する必要があることも具合が悪くて。
風が入る生活がいいんです。
生活スタイルにあわないと、毎日使えません。
そうして、残ったのがペレットストーブでした。
ペレットストーブ、RS-4
とは言え、ペレットストーブなんて見たことがない。
東京にはショールームがどっさりありますが、ペレットストーブに関してはほんの数件。
やっぱり体感しないことには、始まらない。情報をたぐって古民家カフェに行ったり、那須まで遠征もしました。
イタリア製のスタイリッシュなもの、アメリカ製の頑丈そうなもの、一通り見て納得して、我が家の要望がまとまりました。
- シンプルな形
- シンプルな機能
- 料理ができる
その頃は、日本製はまだ出始めたばかり、機能的に劣るという話でした。どこでも、あまりすすめません。
その中でひょっと耳にした、さいかい産業の「MT-311 SUMITA」の話が、印象的だったんです。
東日本大震災復興支援のために開発し、住田町の仮設住宅に設置されたペレットストーブ。
「厳冬の仮設住宅をしっかり温める。狭い6畳間に設置でき、簡単な料理もできる。機能は絞って故障しにくく、費用は抑える」
そんなペレットストーブを作ろうと奮闘したと。この話ユーチューブで見つけました!↓
私、ストーリーのあるものに弱いんです・・・
「RS-4」は、この「MT-311」のシリーズです。
「機能は必要最低限。便利さは追求しません」こんな会社の理念も気に入りました。私も便利さを追求しない派ですから。
武骨なフォルムも大好きです。
メリットデメリット
私は、ペレットストーブにデメリットは感じませんが、人によってはデメリットかもしれないことを記します。
メリット
- 体の芯まで温めてくれる
- 空気が汚れない
- 家全体が暖まり、ヒートショック軽減
- 風がない
- 炎が癒しになる
- 薪に比べ操作・メンテナンスが楽
- 環境にやさしい
デメリット
- 導入コスト
- メンテナンス
- 設置すると動かしにくい
- ファンの音
- 電源が必要
- ペレットの調達・置き場所
さいかい産業のペレットストーブは、機能がシンプルな分、他社に比べて値段は安い。
当時、取り付け費込みで41万9千円でした。
ファンの音は、できればない方が良かった。ファンがあるというのは、電源がいる証拠。電源がいらなければ、震災の時にも使えるので。
当時、電源を必要としないものは、確か長野で販売されていた『信州型ペレットストーブ』だけ。メンテナンスを考えると、あきらめざるを得ませんでした。
まとめ
スイッチ1つで、炎が揺らめき、じんわりと体を心を温めてくれます。
1日の終わりのこんな時間が、冬の楽しみです。シンプルな暮らしの彩になっています。
暖房費用だけなら、エアコンに及びませんが、暖かさの質が違います。
環境にもやさしく、人にもやさしい。
炎がある暮らしは、癒しや、楽しみ、豊かささえ感じさせてくれます。
これがペレットストーブです。