1泊1万円の「差額ベッド代」は拒否できたのか?

病院の外観ライフスタイル

先日1泊で入院をした。

といっても、大事を取っての入院で、全く呑気なもの。めったに入院なんてしないから、ちょっと浮かれ気分もあったりして。

そんな1泊2日の支払いが、思いがけない高額になってびっくり。

特に、差額ベッド代の1日55000円、2日で11000円は痛かった。

差額ベッド代は、希望しなければ払う必要がないはず。なのに、大部屋が満床で「同意」しないと入院できないと告げられ、渋々承諾してしまった。

私の老後医療費計画では、入院は大部屋と決めていて、差額ベッド代は想定外。今後もこんなことが、普通にあっては予定が狂う。

差額ベッド代を、どうやったら上手く拒否できるのか?そんな方法を探ってみた。

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差額ベッド代を拒否できなかった

病院外観

差額ベッド代なんて、私には関係ないと思っていた。

以前、義父を入院させたとき、2人部屋しか空いてなかったけど、希望してなかったので、差額ベッド代は支払わなくて良かった。

病院により対応が違うらしい

「同意」と言うものの、私には「強制」のように感じられる。納得して払うならまだしも、釈然としないまま支払うのは、病院への不信感のタネ。

前日の特別療養環境入室申込書

「特別療養環境入室申込書」は、万が一大部屋が空いてない時に、差額ベッド代に同意するための書類。全員提出しないといけないと言う。不吉な予感。

その差額ベッド代が、4人部屋5500円/日~個室55000円/日。

さらに、

特別療養環境室料は健康保険法により、入退院の時間に関係なく、日額(10:00~24:00)となります。※1泊2日の場合→2日

「じゃあ、1泊なら2日分ってことですか?10時入院で、翌朝10時退院でも?」

「そうです」

大部屋希望、強く伝えた!つもり。

だけど、「ベッドを決める担当は別です」「当日にならないとわかりません」と、取り付く島もない。ぼそっと、入院の長い人から要望を聞くようにしないと、患者さんが大変だからとも。

じゃあ私は・・・

当日の差額ベッド部屋

やっぱり。

「大部屋が満床なので、差額ベッド代がかかることに同意して欲しい」と告げられた。

「いやならどうなるんですか?」「入院できません」。例え、その日に手術の予定でもだそう。

他の選択肢はないのかと食い下がると、上司に相談することはできるという。クレーマー?駄々をこねる人のための抜け道があるのかも。粘れば、どうにかなりそうな気配もする。

強く出るべきか?穏便に済ますべきか?

結局、穏便な道を選んだ。

差額ベッド代の常識

病室

きちんとした交渉の場もなく、はぐらかされたような気分で、4人部屋に入院した。

不満たらたら5人部屋を偵察してみたけれど、これで11000円も違うなんて、私にはあり得ない。ところがいろいろな人がいるもので、同じ部屋の人は、個室を希望したのに空きが無かったらしい。

なんとも悩ましい差額ベッド代。

みんな払っているのか?どのくらい支払っているのか?そんな常識が知りたくなった。

払う人の割合は?

今回の調査対象病院(全国約50万床)のうち、差額ベッド料が必要な病床は総病床数の18.2%(約9.1万床)にとどまり、全体の8割以上(約40.9万床)の病床では差額ベッド料が不要であることがわかりました。

急性期病院の差額ベッド料に関する調査結果について | 株式会社ケアレビュー (carereview.co.jp)

この調査結果から、8割以上の病床では差額ベッド料は発生しないとわかり、ホッとした。今回は、たまたまだったんだと。

いくら払う?

中央社会保障医療協議会「主な選定療養の係る報告状況」によると、

差額ベッド代平均金額は、1日あたり6,527円。病床数の多い1人室を覗けば、2~4人室で2900円程度だそうだ。

差額ベッド代
1日当たり
(推計)
病床数
1人室8,221円182,246床
2人室3,122円 40,974床
3人室2,851円 4,404床
4人室2,641円 39,410床
全平均6,527円267,034床
令和2年7月1日現在
中央社会保険医療協議会「主な選定療養に係る報告状況」令和3.9.15

2010年11月という古い資料から、私の入院した病院は、神奈川県の高額な差額ベッド代の設定がある病院BEST10に入っていた事もわかった。

2/4 神奈川県にある病院の差額ベッド代を徹底調査!! [医療保険] All About

また、都内の病院の差額ベッド代の例として、こんな表もネットに上がっていた。

部屋の種類A(私立大学病院)B(企業系列の病院)C(民間の総合病院)
特別個室35,000~80,000円38,000~120,000円
一般個室6,000~31,000円25,000円19,440~32,400円
2人部屋10,500~12,000円8,640円
4人部屋6,000円0円1,080円
※LHL調べ(平成30年1月時点)

これらの資料から、よりによって私は、差額ベッド代が高い私立大学病院に入院したんだとわかった。

ちなみに、父が入院した地方の公立病院では、同じ料金で個室だった。地方より都市部の方が高い傾向。

差額ベッド代対策

医療費と費用

要するに、普通は差額ベッド代は要らないし、こんな高額の差額ベッド代も必要ないとわかった

とは言え、私はこの私立大学病院がかかりつけ、じゃあやめたとは言えない。

されど、希望しない差額ベッド代を払うのも口惜しい。なにより、私の医療費計画にも差し障りがでる。

そこで対策を2つ考えた。

1.入院前に大部屋希望を強く訴える

これは、実は看護詰め所の事務員さんの提案。

次回のために、「どうしたら大部屋に入ることができるのか?」とストレートな質問をした。そしたら、病棟に来てからでは難しいと。前日の入院説明の時に、強く要望して欲しいと言う。

私だって、強く言ったはず。でも聞く耳を持ってくれなかったと記憶している。聞くに値しないと思われたか、弱腰すぎたか・・・

ここは、ちょっと交渉術が必要なのかもしれない。内部情報だから、上手くやれば効果絶大のはず。

2.病院を選ぶ

病院により入院費用がかなり変わる、と知った。

知ったからには、無用なストレスがかからないよう、あらかじめ差額ベッド代のない病院を選ぶと言う手がある。

もちろん入院しなきゃそんな心配は無用だし、病気の重要度によっては、そんなこと言ってられないだろうけど。

新規に病院にかかる時には、入院を織り込んで、公立病院を優先してもいいかと思っている。私には一番気楽な選択肢。

まとめ

これまで、病院は病気を治してくれるところ。費用にはまったく関心を持たなかった。一律だろうと思っていたし。

今回差額ベッド代を払い、初めて入院費用は病院によって違いがあることに、気が付いた。

老後の医療費は、標準治療で大部屋入院。そんな計画に従って、上手く病院と関わっていきたい。