父の葬儀を終え、母がしみじみと言った。
「良いお葬式ができた」と。
体力が持つかと心配していた母の満足そうな顔を見て、事前の準備が功を奏したなあとホッとした。
人が亡くなると、葬儀まではあっという間。
父が亡くなったのが午前で、午後にはもう打ち合わせをし、翌日にはお通夜で、その次の日にもう葬儀。後ろを振り返るヒマもなく、休む間もなく、葬儀まで一気に進み、一息つくのはすべてが終わった後。
以前義母の葬儀をやった時、騙されたとは言わないが、知らないことをいいことに、つけこまれたんじゃないかとそんな後味の悪さがあったので・・・
母に「準備は早めにやっといた方がいいよ」とアドバイス。
パンフレットを見たり話を聞いて、葬儀社を決めるまでは一緒にやって、後はポツポツと空いた時間に、母が1人で準備を進めていたらしい。
お陰で本番も、気力体力を温存したままに、葬儀をじっくり味わうことができた。費用的にもメリハリをつけ、結果的にコスパよく纏まった。
やっぱり『葬儀の事前準備』はメリットだらけという話。
葬儀の事前準備のメリット
葬儀のことをなにも知らなくても、葬儀社の言うなりにやればちゃんとお葬式ができる。でも、ちょっと準備していたら、葬儀の満足度がまるで違う。
そんなことを2度目の葬儀で実感した。その時の記事↓
事前準備のメリットは2つ。
葬儀をじっくり味わえること、コスパがいいこと。
葬儀をじっくり味わえる
葬儀の打ち合わせはいろいろ。祭壇の大きさ・骨壺のランク・食事の数や値段・・・
これを初見で次々と決めていくのは、精神的にかなりきつい。
何を選べばいいのかさっぱり分からず、どれを選んでも高い。おまけに既に疲労が蓄積されてて考える気にもならない。
最後は葬儀社に丸投げして、言われるままにお仕着せの葬儀を行うことになる。
でも、ちょっと事前に考えていたら、時間に余裕ができるので、
- 疲れない
- (心と体に)ゆとりがでる
葬儀の印象がまるで違ってくる。喪主でいながら葬儀をじっくりと味わうことができる。
私たちがこの余裕の時間を何に使ったかと言うと・・・
“おしゃれだった父”のために、皆で洋服をコーディネートしたり、”食い意地が張ってた父”に、どっさりお伴の食品を買いに行ったり、担当納棺師から、宗教による葬儀の違い云々のレクチャーを受けたりして過ごした。
真言宗はあの世でも修業を続けなきゃいけないんだそうで、慌ててトレーニングウエアも用意した。
母は時間をかけて『夫への感謝の手紙』を書いていた。
そんなどうでもいいような時間だけど、振り返ればとてもいい思い出になっている。
葬儀費用の節約
母は世間体を気にする人だから、ただただ安くしたいとは思っていなかった。でも、結果的に節約できた。
かける所にはかけ、省くところは省き、メリハリのあるお金の使い方が出来たから。
葬儀の打ち合わせは、提示された選択肢を1つ1つ選ぶ形ですすむ。選び方で金額がずいぶん変わってくるけれど、なにも知らないと「とりあえず真ん中」を選びがち。
それが、ちょっと準備をすれば分かることがある。骨壺はどうせ見えないから最低ランクでいいだろう、祭壇は下から2番目でいい、その代わり花のスタンドを多めしようと言う風に・・・
食事は母の希望で一番豪華なものをチョイスした。
中にはお化粧や湯灌のような、プラスアルファの提案もある。必要ないと判断したものはバッサリ切った。
こんな風にチョイスした結果、立派な割に安い葬儀になった。
事前準備したことリスト
母が事前に準備したこと。
取り組んで欲しいものから順に、
《事前に準備したリスト》
- 葬儀会社を決める
- 遺体搬送先を決める(自宅か会場)
- 参列者の範囲を決める(町内会の人は?)
- 親族の連絡先リスト作成(菩提寺の連絡も)
- おおよその予算立て
- 喪主を決める
- 香典を貰うか貰わないか決める
- 遺影準備
- お棺等のおおまかな選定
ちなみに葬儀社は、できるだけシンプルな提案をしてくれるところに決めた。営業色が強いと、あれこれ勧めてくるので疲れると思ったから。
思った以上に遺影は重要。父の遺影を見て住職の奥さんが「こんなに素敵なのは見たことがない」とおっしゃったほど、いろんな人に褒めてもらった。葬儀で一番目が向くのも遺影。ここはしっかり選ぶべきだというのが今回の発見。
こんな準備が葬儀の満足度を上げてくれた。
まとめ
葬儀を3度経験し、準備の大切さを改めて実感している。
大事な父の葬儀が、家族にとって思い出深いものになったのがなにより幸せなことだと思う。