中学受験は地頭勝負、それがラッキーだったのか不幸だったのか・・・

満開の桜ライフスタイル

田舎風にのんびり子育てしようと思っていたのに、中学受験のせいでずいぶん急かされてしまった。

中学受験は親の受験とよく言われるが、私には地頭の受験という印象が強い。

それは、うちの兄弟、長男がいわゆる地頭のいいウサギ。何の努力もなく難関と言われる学校にするりと入り、片やカメの次男は、努力もむなしく全落ちしたという経験から。

中学受験ってなんて不公平なんだろう。

ところがその後、ウサギとカメが同じ大学に入るという痛快な出来事がおこる。どうやらウサギが寝てる間に追いついたらしくて・・・・

努力ってすごい「ウサギとカメ」の実話。

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中学受験は地頭受験

長男がエコカーなら、次男はガソリン食いのアメ車。長男がクールなら次男はホット。そして、長男は地頭がよくて努力ができず、次男はその真逆。

持って生まれた個性ってホント面白い。

でも、中学受験は弟の成長を待ってくれなかったので・・・

長男のお気楽中学受験

長男は物覚えのいい子。文字も読み聞かせしただけで勝手に覚え、いつのまにかあたりをつけて漢字も操っていた。

やたら教育熱心な祖父母はそれは大喜びで、「もうマイナスの概念を知っとる!」と。

夫が大張り切りで、受験塾に連れて行ったのが小3の冬。

帰ってくるなり「サンタさんってホントにいないの?先生が、まさかまだ信じていないだろうなって」。そこから追われるように成長を促された。

母の心配をよそに、当の息子は意外に楽しく通い始めた。そりゃそうだろう、真面目に宿題をするでもなく、遊びの延長みたいなものだったから。カリカリしているのは夫だけ。

学校生活も、スパルタ塾もさらりと楽しみ、図太い性格なのでストレスもなしに、受験も大いに力を発揮した。

次男の悲壮な中学受験

「ぼくも中学受験したい」と、おくての次男が言う。長男となんでも同じことがしたいから。

「だめでも、合格するまで何度でも受けれるからね」そんな声掛けをして臨んだ入塾テスト。読み聞かせも彼には効果がなかったようで「この時、木は何と言ったでしょう?」「木は話さない!」。

真面目だから宿題はちゃんと仕上げようとするし、テストと聞けば、さらに張り切る。1つ1つクラスを上げていったけど、いつも時間が足りず、もがいていた。

受験本番は、心が先に負けてしまった感じ。

次男の中学受験の話↓

兄弟2人、できれば同じように育って欲しい。同じような学歴・収入なら、ずっと仲良く付き合えるんじゃないか」そんな親のエゴと裏腹に、ずいぶん進む方向が違ったかに見えた。

大学受験は努力が報われる

長男のお気楽大学受験

彼は努力もできないし向上心もない。向上心がないから努力しないのかも・・・

中学に入った途端、周りの秀才くんを見渡し「勉強で頑張るのはやめた」らしい。で、何をしたかというと自由な校風をひたすら謳歌した。

成績はどんどん下がり、高校3年の夏休み前には担任から「このままだと卒業できない」と衝撃的な電話をいただいた。

大事なテストに遅刻して入室できず、卒業の単位が危ないと。

「これは脅しだから安心しろ」と、気にも留めない。そんな本人に代わって、私の方が心臓に異常をきたし病院に駆け込むはめに。検査の結果、医師のアドバイスは「息子さんのことは忘れてください」。

そうできたらどんなにいいか・・・

確かに卒業できた。卒業式の日、部活の先生が「ちゃんと卒業できてるか心配だったから」と彼を探しに来られた。

遅刻を競う友人の母親からは「お前が卒業できて、俺が留年したら訴えてやるとうちの息子いってました」とご挨拶もあったりして・・・

それでも「勝手に心配してるんだから」と本人はどこ吹く風。

当時通っていた塾の講師にも「僕が言うことでもないですが・・・」と前置きの後、こんなアドバイスをいただいた。

「勉強以前に、根本的な部分でたたき直した方がいい。○○予備校は全寮制で携帯禁止。スパルタだからおススメしたい」

首根っこをつかんでそこに送り込もうとすれば、改心するとだまされて。

浪人中も「今からやったら早すぎて忘れる」とうそぶき、秋口になったら「ちょっと間に合わないから1こ捨てるわ」と。去年も同じこと言ったはず、よくも懲りずに。

センターの願書が、締め切り前日にカバンの底からぐしゃぐしゃで発見され、周りを青ざめさせ、塾の後ろの席の子に「お前のゆるさを見るとストレスになる」と椅子をけ飛ばされたり・・・

ほんといろんなことがあった。滑り止めの大学に引っ掛かり、社会人になってくれたから笑い話になったけど。

中学受験が彼のピークだった。これは確か。

次男のコツコツ大学受験

反対に弟は努力の人。要領も悪いから並みの努力じゃ足りない。ある意味スーパーカメ。

本人もその辺り自覚があり、「自分は抜けている、だから抜けなくなるまで「ヌケ作」と呼んで欲しい」などと平気で言う。

真面目すぎて、ゆとりがなく、英検にしても昇段試験にしても、テストに一発で合格したためしもない。

昔は相当線の細い子だったはずなのに、いつのまにか図太くなっていて「2回受けたら合格できる!」と変な自信もつけている。

そうやってゴリゴリと1年延長で学び続け、長男と同じ大学に進学した。

次男の努力、確かに2回目で実を結んだ。

合格の達成感はもちろん、「努力が実を結ぶ」経験が自信になったようで、さらに上を見上げている

まとめ

大学受験まで、地頭一つで乗り切ってきた長男。

これはこれで、ある意味すごいのだけど、物覚えという部分で恵まれ過ぎて、自分を磨いてこなかった。だからか、生まれた時からホント変わらない。性格も行動も。

なんでも上手くこなすけど、深追いもしない・・・

片や、次男は昔、恐竜の卵みたいに分厚い殻で覆われて生まれてきたのに、それがパクっと割れて・・・

「努力ってこんなに人を変える」んだと、わが子を見て学んだ。私、努力を疑ってこの年まで生きてきたから。

そんなウサギも、社会の荒波にもまれ、寝てばかりいられなくなったようで、薄目を開けて様子を見ているっぽい。