葬儀費用を100万安く、大満足な家族葬ができたワケ

義父の葬儀暮しの教科書

「今度やる時は、絶対準備する!」

それが、初めて葬儀を出した後の私の決意。

葬儀屋のアドバイスに沿ってやったのに、料理は大量に残ってもったいなかったし、頼んでないビデオ撮影に葬儀のアルバム4冊・・・それ費用に入ってるんだ、とガックリきた。

慣れないことをがんばってやったのに、くたびれ損の銭失いとはこのこと。

だから今回は準備した。信頼できる葬儀屋を見つけて、考えられる範囲で葬儀内容もほぼ決めた。

その甲斐あって・・・

大満足な葬儀になった。あまりに良すぎて友人に教えてあげたほどに。

葬儀屋が、打ち合わせ通りに上手く取り仕切ってくれたのはもちろんのこと、これぞプロというような配慮もあって、なんとも温かい気持ちになった。お陰で良いお別れの時間を持てた。

オマケに、家族葬だったとはいえ義母の時と比べ100万円も安くなる。これってすごくない?

後悔しない葬儀のために、私たち夫婦がやった葬儀の事前準備の記録。

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葬儀は事前準備に尽きる

義母の葬儀

「葬儀」を初めて出したのは、継母の時。

あの時は私も若かった。葬儀のことなんて考えたこともなかったから、葬儀屋のアドバイスに従い、親戚のアドバイスにも耳を傾け、なんだかてんこ盛りの葬儀をやった。

やたら忙しいしお金はかかるし・・・

終わってホッとした時疑問がわいた。これって振り回されただけじゃないかと。

葬儀社の言うなりは危険

ある朝、継母が亡くなったと病院から訃報が入る。

搬送先はどこかと尋ねられ、「搬送先ってどこですか?」と聞き返す。

そこから葬儀に突入。

葬儀屋を探し、親戚に訃報を知らせつつ帰省の準備。出勤・登校した家族を呼び戻し、皆が揃ったところで新幹線に飛び乗った。

到着した葬儀会場には、すでに親戚縁者が揃っていて、挨拶もそこそこに打ち合わせが始まる。喪主は落ち着く暇もなく、誰かが来たら挨拶をして、いろいろと雑用があって・・・

葬儀の詳細を尋ねられても、なにがなんだかさっぱりわからない。何を聞かれても「じゃあそれでお願いします」と言うほかない。ひそひそとアドバイスをくれるおばさんにはげっそりしたもの。誰がお金を払うと思ってるんだか・・・

そうやって、葬儀屋の言うまま伯父伯母の善意のアドバイスに振り回されるまま、通夜・葬儀を執り行なった。

特に過剰気味な演出にはうんざりした。十分忙しいのに、その上ビデオ上映のための写真探しや、演出の相談があったりする。アドバイス通り用意した料理も、ほとんど手つかずに残ったし、良心的アドバイスだったとは、とても思えない。

葬儀の費用を安く適正に

《前回の葬儀で学んだ事》

  • 葬儀は突然やってくる
  • 疲れとストレスでまともに判断できない
  • 選択肢は高い方を選んでしまう
  • 親戚の意見に振り回される

葬儀の知識がなかったのが悔やまれる。「お金を使うなら、納得して使いたかった」というのが一番の後悔。安ければいいとは思っていない。

だから、不謹慎かもしれないけれど次は準備しようと決めた。

新聞の折込チラシを見て資料を請求したり、電話で問い合わせしたり。最終的に対面で話を聞いたのは5社見積もりは3社からとった。

そんなことをしていると、自然に自分の求める葬儀の形が見えてきた。

《葬儀への要望》

  • 親戚は遠方で高齢なので参列は断る
  • 家族葬にする
  • 直葬はしない
  • 実質本位のシンプルで温かいお葬式

そんな葬儀にしたいと思う。

葬儀屋を選ぶ

葬儀屋を選ぶのに、2つのポイントを考えた。

信頼できるかどうか

これが一番重要。葬儀社に行ってみれば雰囲気がよくわかる。やくざっぽい気配に怖気づき、慌てて逃げ帰ったところもあったほど、葬儀屋は当たりはずれが大きい

素人には葬儀の相場なんてわからない。だから正直なことを言ってくれるところが安心。長くやってるというのもポイントが高いかも。

自前の葬儀場を持たない

調べるうち発見した。

葬儀場を自前で持っているところは費用が高く、持っていないところは安いことに。

自前の葬儀場あり

【特徴】

  • 安置室で遺体と常時面会可能
  • 法人企業で規格化された葬式
  • サービスの選択肢が多く痒い所に手が届く
  • 料金が高い

透明のお棺故人と24時間会える部屋ずっときれいなままいられる処理など多様なサービスも用意されている。「みなさんされる方が多い」「なさってあげると喜ばれます」と言う具合に勧めてくる。情にほだされ、つい「そうしてください」と言ってしまいそう・・・

そこまでするか?と私は懐疑派。

こんなオプションは、時に十数万もかかるから、選択しようものなら費用が相当アップする。

自前の葬儀場なし

【特徴】

  • 遺体を保管場所で預かり、通夜まで面会できない
  • 個人経営が多い
  • 昔ながらの葬儀でバリエーションが少ない
  • 料金が安い

と言うように、いたってシンプル。オプションに惑わされないのがメリットかも。

自前の葬儀場があると固定費がかかるから、その費用が葬儀費用に反映されると思えば納得できる。

葬儀場を選ぶ

自前の葬儀場を持たない葬儀屋を選べば、費用は安くなるが、反対に葬儀場を探す手間が増える。もちろん葬儀屋から提案もあるが、興味本位で探してみた。

結果、火葬場併設の公営葬儀場が一番安いことがわかった。

寺院の集会施設

貸出し料金が意外に高く、菩提寺の場合20万円。わざわざお寺で借りるメリットはなく、なぜかお寺も貸し渋る。

町内会等の施設

1~2万円で借りられる。かなり安くできるのは間違いないが、自分で予約や管理をしないといけないこと、葬儀屋が慣れてない場所であることを考えると二の足を踏む。

火葬場併設の公営葬儀場

横浜市公営斎場は、施設もきれいで広い。通夜込みで8万円

火葬場併設なので移動用霊柩車がいらず、お坊さん・親族用のハイヤーも不要なことを考えると、かなりお得な選択かも。

予約が取り辛いのがネック。

高額な式場費用・車両関係費用が削減できるメリットの方が大きいと計算した。

葬儀費用の見積もり比較

葬儀費用を比べるために、条件を合わせて見積をしてもらった。

《条件》

  • 家族葬
  • 必要なものはすべて込々
  • 選ぶものは最低ランク(納得できる範囲で)

葬儀屋により見積もり方法は様々で、骨壺1つにしても同じにならない。単純な比較はできないけれど、どういう項目があって、費用が嵩む項目は何かと言うような、全体像をおおまかにつかむことは可能。

中には「お任せください、安くするから」と見積もりしないところもあった。そこはもちろん却下。

最終的に、自前の葬儀場を持たず地元で古くからやっている葬儀屋に依頼した。

「祭壇を簡素にしても、生花をこのぐらい足せば華やかさが出て良い感じに収まります」

そんな良心的アドバイスに誠実さを感じたから。

結果、費用内訳もそっけないほどシンプルで、総費用もダントツに安かった。

そして、火葬場併設公営斎場の使用を希望する。

葬儀費用が100万円安く

義父が病院で亡くなったのは、それから数年後。

看護師に「葬儀屋は決まっているか」と尋ねられ、準備通り葬儀屋に連絡をとった。

葬儀屋に任せれば、もう葬儀のことは考えなくていい。

親戚や僧侶への連絡・接待など、やっぱりやることはあるものの、葬儀の内容を1から詰めていくという作業がないのはどれだけ楽か。葬儀屋に全てをゆだね、最後のお別れだけに時間を使うことができた。

費用は、時節柄会食なし通夜付き家族葬で40万円弱

葬儀屋があまりに商売っ気がなくて・・・

親戚が生花を依頼した時には「花はもう十分だから、自前のを省きます」と連絡をもらったほど。葬儀中の細やかな配慮も行き届き、こんな葬儀屋に巡り合ったことが、事前準備のなによりの成果だった。

思い出すと温かい気持ちになれる葬儀ができた。

まとめ

これが葬儀の準備をした成果。

冷静な判断ができる時に、自分なりのベストな選択をしておけば後悔はない。後悔がないばかりではなく、葬儀がこんなに豊な時間だと初めて知った。

この葬儀屋、あまりに気に入り後日友人に紹介した。いつかここで私たちの葬儀もやってもらいたい。