亡くなってもトラブルメーカー、呪縛にかけられた人間関係

道祖伸ライフスタイル

15年来仲良くしていた友人が、亡くなりました。

私は彼女が大好きでしたが、何かとトラブルを起こす人でもありました。まさか亡くなってからも、こんな騒動のタネになるなんて。

彼女の訃報に接して私たち仲良しグループの反応は真っ二つ。大騒ぎ組と、沈黙組に分かれました。大騒ぎは単純に驚愕したからで、沈黙は恐らく何かを隠している・・・

みんな同じ気持ちでいられればかったのですが、この反応の違いが亀裂になりました。

仲良くしていたんだからと気を取り直し「みんな一緒にお墓参りしよう」と誘いました。そしてわかったのは、沈黙組は明らかに距離をとろうとしていること。

おそらく、亡くなった友人の遺言のようなものがあり、それを律儀に守っているんだろうと察します。

私たち、亡くなった友人が原因で深い溝ができてしまいました。

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トラブルメーカーな友人

お寺のコケ

私は亡くなった友人が、大好きでした。

みんなで、一緒に死を悼むことができていたら、ずーっと大好きでいられたと思います。残ったメンバーの結束も強まったかも。でも、そうはならなかった。

むしろ、反対。

亡くなった友人をしのぶ

彼女と知り合ったのは、子どもの学校のPTAとして。積極的なところ、意思の強さ、言いたいことをズバリと言える気持ちよさ、すべて私にないものばかり。

彼女と一緒にいると、私までそんな勇気ある人間になれるような気がしました。

美味しいものに目がなくて、コンサートや展示会情報にも敏く、なにかとイベントを企画してくれます。集まりのリーダーシップをとるのも彼女の場合が多かった気がします。

グループで運動会を見たり、ランチ会をしたり、散策に出かけたり・・・

グループの中の個人的つながり

一方で、1対1の湿度のある付き合いを好むようなところもありました。人を選別するというか、秘密主義というか。グループ内の「誰かだけを誘う」というような付き合い方も、伏線としてよくやっていたようです。

私はべったりな付き合いがちょっと苦手。ちょうど介護があったり小さい子どもいたので、ほどほどの参加がちょうどよいと思っていました。

5年ほど前に彼女が病気になり、しばらく音信が途絶えたことがあります。少なくても私には。「どうしたんだろう。何かあったんじゃないだろうか?」とずいぶん気をもんだものです。

しばらくぶりでみんなが集合した時、「病気の時にお世話になったから」とお礼の品を数人に配っているのを見て唖然。

「なーんだ、知っていた人がいたんだ」と。

口が堅い。知っていても他言はしない、そんな人たちなんです。沈黙組は。

私だって、力になりたかった。

私は頼られるに値しない人間なんだろうか、優しさが欠けているのかもしれない、そう悩んだものです。友達なんだから教えてくれてもいいじゃないかと疎外感も感じました。

亡くなった友人が残したわだかまり

麦畑の一本道

病気後、彼女の明るい性格が、わがままと感じることが増えました。病気が彼女を変えたのかもしれない。

でも、別の友人は言います。病気になって本性が出たのだと。

病気が人を変えたのか

何かにつけて突っかかるようになりました。ランチのお店の選定が悪い、まずい、接客態度がなってない・・・

一度言い出すと抑えがきかなくなるらしく、周りがハラハラする程に執拗に毒を吐き、まるでクレーマー。

グループ内でも彼女を避ける雰囲気が生まれました。

「いったいどうしたんだろう」元の彼女に戻って欲しくて、できるだけ誘いに乗ってみたりもしました。かなり気を使っていたと思います。

本性だったのか

コロナで、数年すっかりおうちモード。

そこに突然の訃報。みんな動揺してのLINEです。信じられない気持ちをみんなで共有したくて。そこでの沈黙は、何か知っている・・・としか思えません。

1年ほど前にも別のグループで、友人が亡くなりました。

事情を知った人から一斉LINEがあり、悲しみや驚きをメンバー全員で共有しました。同じ気持ちでいられる友がいるって心強いものです。

その後、連名でお供えを送り、ご冥福をお祈りする。そんなこともできました。

あの時のように、このメンバーで一緒に悲しみを共有したい。亡くなった彼女をみんなで懐かしむ場が欲しくて、お墓参りを提案しました。また、元のように打ち解けた付き合いができればとも考えて・・・

でも、沈黙した友人は、私たちに会わないことを選びました。

亡くなった彼女の意向、もしくはそれを汲んだご家族の意向を忠実に守ってのことでしょう。なんせ律儀な人たちですから。

距離をはっきり感じました。もう、会うつもりがないんだと。

亡くなった彼女は何を言い残したのでしょう。友人たちにも言いたい、そんなに隠さなきゃいけない事なのかと。

まとめ

亡くなった彼女が原因で、長年築き上げた友人関係が消えました。

皆でお別れができていたら、大概のことは良い思い出に変わったはず。

立つ鳥跡を濁さずといいますが、かき回して旅立ったような、後味の悪いお別れになりました。