旅行支援「行かなきゃ損!」お得な旅は疲れる旅

日本海の景色 ライフスタイル

つい「安さ」につられてしまった。

鉄道開業150年記念JR東日本パス」と「旅行支援」。2つ使えば、相当お得な旅ができるに違いないと。

これは行かなきゃ損。

調べれば、ルート・チケットの取り方・宿の手配・クーポンの使い方・・・選び方1つでお得度がずいぶん変わってくるらしい。

そうとわかれば、「いかに安くするか」そんなことばかり考え、ネット検索に励んだ。

行く前から既にお疲れモードだったのに、行った先でも、「クーポンが、割引が・・」と損得勘定が頭から抜けない。上手くやらなきゃ損する気さえして。

もう旅そのものが上の空。

旅に出た時くらい非日常を楽しみたい。ゆったりおおらかな気分で過ごしたいもの。そんな気分に全くなれなかった。

この旅は果たしてお得だったのだろうか?

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「旅行支援」もっとお得に

新幹線つばさ

行くなら『佐渡』がいい。

ずっと行きたいと思っていたから。

計画を立て初めてみれば、「鉄道開業150年記念JR東日本パス」を使うには、佐渡は向いてないとわかる。

まさかの『鉄ちゃん』

「鉄道開業150年記念JR東日本パス」は3日間のフリーパス。最大限活用するためには、

  • 長距離乗る
  • 周遊する

ことが大事。

佐渡は乗車距離も短いし、島に渡ると電車もない。

行先を変更するのが妥当だろう。『酒田』『鶴岡』『村上』周遊の旅へ。

酒田まで、東京から新潟経由が王道ルート。我が家から約5時間はかかる。これを往復せず、これまたお得に、周遊ルートを探ってみた。

《案1》秋田経由

太平洋側を北上して、秋田でくるっとまわって日本海側を下って酒田。約6時間半。

《案2》山形新幹線と代行バスで、最上川沿い横断

乗り換え4回。上手く乗り継いでも約7時間。

奥の細道最上川ラインと言われる陸羽西線が運休で、代行バスが出ている。紅葉が見れるかもと《案2》を採用。

山形で途中下車し、『山田屋のふうき豆』を買う。なんてことも可能だし。

こうして3日間で途中下車が6回という、慌ただしい電車の旅が始まった。

まるで『ウーバーイーツ』

いつもは1つところでじっくり留まる旅をする。

時間に束縛されるのがイヤなので、自分の都合で、路地に入ったり、スーパーに寄ったり、知らない町をぶらぶら歩くのが大好き。

特に夫は、その傾向が顕著。そんな夫を道連れにしたのが間違いだった。

今回はそんな悠長に歩いてたら、電車に乗り遅れてしまう。遅れたら1時間は待つ。また次も遅れる。そんな風だから「早く!」「急ごう!」と、随分追い立てたつもりだったのだけど・・・

頑張りが効いて、乗り遅れはしなかった。でも、『山田屋のふうき豆』は買い損ね、羽黒山では、頂上の神社にお参りするヒマもなく下山。後悔は多い。

効率優先で、貸し出し自転車を借りてみた。

それでも、状況は好転せず。「ちょっと遠いけど、土門拳記念館に行ってみよう」とオーダーが加わったり、横道にそれたり、自転車を止めて景色を堪能したり。そんな夫を、牧羊犬のごとく、追い立て追い立て自転車をこぐはめに。

結局、時間を気にする私がバカを見る

「旅行支援」1円でも安く

村上の鮭

旅に出た時は、日常を忘れてすごしたい。非日常を楽しみたい。お金のことなんて、そんなせこいことは、ちょっと忘れていたいもの。

ところが「旅行支援」は、上手くやれば、お得が増す仕組み。つい、俗なことを考え、せこい行動に出る。

クーポンに目がくらむ

クーポンなんていっそなきゃいいのにと思った。

旅行中の食事に、観光に、お土産にとなんでも使える。貰えるものなら貰っとかなきゃ。貰ったからには、最高のパフォーマンスで使いたいと考える。

ところが、なんでも使えそうで、案外使えない。

上手に使い切るには、工夫もいる。なんといってもお釣りが出ないのだから。しかも、クーポンの使えるお店ならどこでもいいわけでもない。食べるなら美味しいお店じゃなきゃイヤだと思うし、観光に使えるなら、見たいものじゃなきゃもったいないことになる。

クーポンに目がくらんだとしか言いようがない。

電車の時間がせまり、「クーポン使えるお店教えてください」と観光案内所に駆け込んだり、追加料金を払い、いらないお土産を買ったりもしてしまった。

「無理に使わなくても」と夫はいう。貰ったクーポンの消費に、時間をかけるなんて、確かにおかしい。でも、使わないと損した気分になるものだから、つい。

皮肉なことに、しょうがなく「クーポンが使えない」お店でランチをしたら、そこが旅行中で一番おいしかった。そんなものかも。

なんてせこい

クーポンだけじゃない。

「鉄道開業150年記念JR東日本パス」にも、構内のお店で購入すれば10%引きという優待がついていた。

知ってしまうと、呪縛から逃れられない。駅弁を買うにも、ちょっと飲み物が欲しい時にも、まず「この割引」が頭に浮かぶ。NEW DAYSのコーヒーは飲み飽きた。

自分でも情けないと思う。こんな「割引」に気を取られて、セコい動きをしているなあと。

でも、「旅行支援」って、なぜかそんな気分にさせられてしまう。上手にやれば、お得になるよと、やらなきゃ損するよというような・・・

まとめ

「旅行支援」はちょっと苦手。

3年前から、バーゲンセールをやめたのと同じ理由で。割引に踊らされる自分がイヤ。

ホントに欲しいものを、じっくり考えてチョイスする。それが、結局お得だということに気が付いたから。

旅行支援もバーゲンセールに似ている。