【墓じまいと改葬】①お墓はたくさん入った方がお得という考え方

大きな墓地 暮しの教科書

息子の負担を減らしておこうと、改葬を決めた。

決めたはいいけど、改葬にはまず新しいお墓を見つけなきゃいけない。これがかなり大変だった。

「お墓なんてなくていい。安くていい」くらいに思っていたのに探し始めると、種類は多いし、供養の方法、何人まで入れる、後継者がどうのこうの、立地に費用に・・・

いっそ海に撒いちゃうか?イヤ「1人いくら」なら却って割高かも。

結局「普通のお墓にたくさん入るのが一番お得で、管理も楽」と言う結論に。うちの場合だけど。

とはいえ、ここは横浜、おもちゃみたいなお墓でさえ100万円。『この墓に入りたいか?この墓にお墓参りに行きたいか?』と自問自答の末、安いばかりが良いとも思えなくなった。

最終的に近所の寺院墓地に一般的な石のお墓を持つことに。その経緯や、その時に見聞きした近隣寺院の相場感など。

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改葬のお墓探し、種類と選び方

お墓になんのこだわりもあるはずない。「普通のお墓」で十分と思っていた。

ところが、いざふたを開けてみると、樹木葬・ロッカー形式・永代供養・・・選択肢が多すぎて、なにが普通かわからなくなった。

後継者がいない、子供に迷惑をかけたくない、そんな世間の風潮が、お墓にもろ反映されているらしい。世の中がお墓が変わりつつあるのに、古い風習に従っている場合じゃないのかも。

お墓の種類

まず、どんなお墓があるのかきちんと把握するとことから始めよう。

ところが、これがはっきりしない。お墓も進化中、境界があいまいな上に、新しいものも次々に出てきている。よく目にするお墓を、私が納得できた形に分けてみた。

分類方法種類
管理方法永代供養・永代使用
お墓の形墓石一般墓・両家墓・夫婦墓・個人墓
墓石以外樹木葬・納骨堂(ロッカー式・位牌式)
墓なし散骨・手元葬
墓地民営墓地・民間墓地・寺院墓地

お墓の選び方

管理方法で分ける

継承者がいるかいないか

継承者がいるなら永代使用。墓を建てる土地を使用する権利を買い、継承者が供養する。

継承者がいない場合は永代供養。寺院などに供養を依頼。とはいえ、子に迷惑をかけないためにあえて永代供養を選ぶというのも、この頃多いみたい・・・

わが家は継承者の息子がいて、このくらいの迷惑はかけていいと思っているので、永代使用を選択。

お墓の形で分ける

永代供養が今のトレンド

永代供養の墓は、永代供養墓、樹木葬、一部の納骨堂が代表的。このような墓石がない形式の人気の理由は、

  • 比較的金額が安い
  • 管理の手間がかからない

最近の調査では、新規建立の墓は樹木葬が41%と最も多く、今や一般墓を上回る。

日経新聞 電子版セレクション 「終活」で後悔減らす葬儀・墓・家族と相続 2021/01/16

樹木葬

「自然に帰る」という響きが心地よく、かなり人気があるもよう。ただ、これは継承しない一代限りの墓。大勢で入るところではない。

納骨堂

納骨堂は人数制限あり。改葬だとすぐ一杯になってしまう危険がある。

結局、「継承者がいる」「大勢入る」という条件なら、一般墓(累代墓)がいい。1基あれば人数制限使用期限もない。初期費用さえ払えば後は管理費だけで、何人入ろうが値段も変わらず。子も孫もずーっと入れる計算。

墓地で分ける

私たちが墓地選びで最も重視したのは「自宅から近い」こと。お墓詣りも管理も楽なのが、その理由。

墓地を分けるとこの3つ。

公営墓地

横浜市は、年1回の抽選に申し込む形式。

場所、納骨形式は選べるものの、求めるものが応募の対象になるかどうかはタイミング。自宅や一時保管施設に遺骨を保管・収蔵している場合に限る、という条件(当時)あり。

参考:令和3年度横浜市営墓地・納骨堂使用者募集 横浜市営墓地・納骨堂申し込みのしおり


R3siori.pdf (yokohama.lg.jp)

民間墓地

継承していくなら倒産の不安があるところは避けたい。

寺院墓地

費用・檀家制度が不透明。

徒歩圏にお寺はたくさんあるけど、民間墓地も公営墓地もなかった。そもそも公営墓地の条件からも外れている。血縁が無いなら、せめて地縁を大事にしたいという気持ちもお墓探しの間に芽生えてきた。

寺院墓地、近隣の相場感

木の多い墓地

こういう経緯で、徒歩圏の寺院墓地に一般墓を建てることにした。じゃあお寺はどこにするか。以来、お寺の偵察が散歩コースに。

寺院墓地の費用=永代使用料管理料(お寺)+墓石(石材店)

永代使用料と管理料

お寺で確認したこと。

  1. 墓地の空き状況
  2. 永代使用料(土地の借地代)
  3. 管理料
  4. 檀家になると発生する費用や負担

お寺でお金の話。「お心でなんで言われたらどうしよう」と心配したが、意外にはっきりしてて拍子抜け。お布施や檀家の負担についても「皆さんこんな感じです」。

おまけに、住職と話せばお寺の雰囲気もわかる。

自宅周辺のお寺の相場感
  • 永代使用料 90万円/1㎡
  • 管理料 2~3万/年

管理費が高いところは、墓地もキレイにしている印象。キレイすぎても、ちょっと暖かさに欠ける感じもあって、このあたりの好みは難しい。

石材店に支払う、墓石の料金

お墓は、お寺と契約している石材店が作るのが一般的。

墓石の相場感

大きさ・石の素材・付属品によりピンキリと言われたが、価格帯は“軽自動車~高級外車”という印象。

それにしても高い・・・

まとめ

お墓選びは難しい。

なんせ自分の死んだ後のこと。自分の価値観だけでもいかず、継承者の有無等にも左右される。継承者がいるなら、意見のすり合わせも必要だし・・・

息子と意見のすり合わせした話↓

体力気力のあるうちに手を付けて、ホントによかったと思っている。

近所を歩き回って探したお陰で、ひょんなご縁にも恵まれたし。その時の話↓

参考にした書籍:
『お墓どうしたら?辞典』監修:小谷みどり 発行所:株式会社滋慶出版/つちや書店 発行:2018/9/25

『令和版 墓じまい・改葬ハンドブック』監修者:大橋理宏 編者:主婦の友社 発行者:平野健一 発行所:㈱主婦の友社 令和3年/3/31 第1刷発行