お弁当のご飯は曲げわっぱ!弁当箱よりおひつがおススメな理由

白木のおひつ暮しの教科書

「おまえんちのご飯うまい!」

べーべキューにやってきた友人たちに、次男がご飯を炊いて振舞った。それ以来、肉じゃなくて、ご飯食わせてくれって言われるんだとか。

「曲げわっぱのおひつからよそう」というビジュアルもあったかも。でも、ドカッとご飯を食べる男子に認められたのが、素直にうれしい。

おひつのご飯が、うちの自慢だから。

曲げわっぱのおひつは、ご飯を美味しくしてくれる道具』、そう言ったのは、曲げわっぱを買った栗久の店主。その上、『冷めても美味くて夏に2~3日常温保存できる』ので、前日のご飯で、お弁当が作れるのもすごい所。

おひつ生活15年。お弁当がいらなくなった今も、飽きずに「やっぱり美味しいなあ」と言いつつ食べている。

そんなお気に入りの「曲げわっぱのおひつ」のこと。

お弁当のご飯は、曲げわっぱ

弁当2つ

長男が、通学に1時間以上かかる学校に入学した時から、早朝の弁当作りが始まった。

羽釜でご飯を炊くので、タイマーがない。眠い目をこすりつつ炊き、窓辺の保冷材の上で急冷し、詰める。

急冷が良くないのか、どうもご飯がパリパリで、これが残念でくやしくて・・・

子の成長を願う弁当は、中年夫のやっつけ弁当とはわけが違う。

お弁当のご飯を美味しく

ご飯がパリパリにならない」「早起きしなくて済む」方法はないだろうか?

私のアンテナにひっかかったのは、昔ながらの白木(無塗装)のおひつ。

白木は水分を程よく吸収し、ご飯を美味しくする。

特に秋田杉は抗菌作用に優れ、夏でもごはんを常温で2~3日保存できる。

ということは、「秋田杉を使った曲げわっぱの、白木のおひつ」を買えばいいのかも。

白木って取扱い大丈夫?そんないいものなら、もっと普及してもいいだろうに、そんな話聞いたこともない。

でも、やっぱり気になってしょうがないから、実際に話を聞きに行ってみた。デパートで実演販売している「栗久さん」 に。

「おひつは器ではなく、ごはんをおいしくする道具なんです」

その一言に、やられてしまった。即決で「5合浅型」サイズのおひつを抱えて帰ってきた。

そうして食べたご飯は感動もの。

炊き立てのご飯の美味しさとは全く違う。全く別の美味しさがある。しみじみ美味しいと言う感じ。

特筆すべきは、冷めたご飯の美味しさ。記憶の中の駅弁のご飯というか・・・木の折箱に入っていた、多分あの感じ。

これはすごいものを手に入れたと思った。間違いなくご飯を美味しくする道具

夏に2~3日常温保存可能

「栗久さん」確か言ってたはず。「夏でも2~3日、常温でもご飯が保つ」と。

夏、ご飯は冷蔵庫で保存するのが常識。

子がお腹を壊したら大変だから、疑り深く秋田杉の抗菌作用を実験してみることにした。

購入したのはちょうど梅雨どき。5合炊いておひつに移し、リビングに置いた。

ご飯の時間になると、蓋をそろりと開けて、鼻を近づけ匂いを嗅ぎ、顔を近づけ色つやを確かめ、「大丈夫」となったら、そろそろと皆で食べる。

2日で食べきったので3日は不明。でも、もうそれで十分。最後まで、杉のいい香りがする美味しいご飯だった。

夏でも前日に炊いたご飯を弁当に入れられる。と安心できた。

以来、お弁当のご飯は、朝おひつからよそうだけで済む。早起きからも、ご飯のパリパリからも解放された。

でも、良いことばかり続かない。

これなら、冷蔵庫に入れる必要もなく、食べる時にレンチンもいらない。こんなに便利にご飯が食べられる。毎日そうやってるうちに・・・・

おひつの内側にうっすらとカビ

乾かすことをすっかり忘れていたと、気がついた。まるで自ら犠牲になって、ご飯を守ってくれようにさえ思える。

栗久さんに削り直してもらい事なきを得たが、これが、天然の木を使うという事だと反省。

栗久の曲げわっぱのおひつ

曲げわっぱのおひつの中でも、私のおすすめは「栗久さん」

特徴は、

  • 形がシンプルでコンパクト
  • 洋の食卓になじむ
  • ごはんがよそい易い
  • レンジが使えるので手入れが楽

使い易くて機能的で、ちょっと北欧調でかっこいい。民芸で言う“用の美”?

さわらのおひつと比較

さわらのおひつ

カビさせた経験から、洗い替えに、こんなさわらのおひつを使ったことがある。これも白木。ただ、

  • 板に厚みがあり嵩張る
  • 洗いにくくて乾きにくい
  • 使ううち板が毛羽立ち、隙間ができ、タガが外れた

比較的安かったとはいえ結局1年しか持たなかった。片や栗久は15年経過。

木のおひつの手入れ

毎日使って思うのは、木って、想像していた以上に強いということ。

最初こそ腫れ物に触るように扱ったものの、今は時に洗い桶状態になることも。小さな傷や汚れを飲み込んで、でんっと構えている感じ。

大事なことは、1つだけ。しっかり乾かすこと。カビさせないように。

栗久さんに使い方を聞いたら、

使い始めは“生娘”だから、白いご飯だけ入れるように。半年くらい経ってなじんできたら、色のついたご飯を入れてもいい。

うちのおひつは、もうおばあちゃんだから、私の健康志向に合わせて玄米麦ご飯を入れることが多い。炊き込みご飯赤飯はもちろん、ハンギリ代わりにお寿司を混ぜて、そのまま食卓に出したりもしている。漏れないので、釜揚げうどんなんかも入れられるそう。

用途はいくらでも。

曲げわっぱのお弁当箱

この優秀な曲げわっぱ、なぜかおひつより、弁当箱の方が人気らしい。

お弁当箱に曲げわっぱって、ハードル高くない?色のついたご飯でさえ半年待ったくらいなので、おかずなんて直ぐ染みそうで怖いんだけど。コーティングされてる?

乾かす時間も、夜だけじゃカビちゃうんじゃないかと、つい老婆心。

しかも横にしたら漏れる。カバンに突っ込む人には使えない・・・

おひつなら、入れるのはご飯だけだし、おひとり様じゃなくて、みんなで「美味しいね」って食べられるわけで。

「曲げわっぱの弁当箱は高級品で、おひつは日用品」そんなイメージが私にはある。

美味しいご飯のためなら、おひつの方がはるかにお得。

まとめ

玄米を茶碗についだところ

その後「3合浅型」サイズを買い足した。

梅雨どきにしっかり乾かせるように、2つのおひつを順番に使っている。

ご飯がここにある、それが我が家の安心。

次男の卒業と共に、弁当作りも卒業。それでもおひつは現役で、いつもちょっと多めに炊いて入れている。突然息子が「ごはんある?」と帰ってきても大丈夫なように。