「娘を引き取り、3人暮らし始めました!」
遠方に暮らす弟から突然のLINE。
これって「離婚」!?
根掘り葉掘り聞きたいけれど、こういうことは会った時の方がいい。
ここはぐっとこらえて大人対応「応援するよ」と一言さらり。
でも姉として、何かせずにはいられません。
そこで思いついたのが、作り置きおかずを送ることでした。これがやってみたら大成功。
向こうで盛り上がっている雰囲気に、私の方まで幸せな気持ちをもらいました。
手作りおかずには、お金で買えないもの、例えば温もり、元気にする力、人を結び付けてくれるような力があります。
気軽に会えない今だから、遠く離れた親に、家族に、こんな作り置きおかずでつながってみるのもいいなぁと。
弟に送る初めての作り置きおかず、レシピや流れも一緒に記しました。
作り置きおかずに託す思い
「大丈夫。何とかやってます」
人に頼ることに慣れてないんです、弟は。
ごはんはどうしてる?と聞けば、高校生の姪を食事係に任命したと言います。
そんなことを聞いた両親、ソワソワ落ち着きを失っていますが体がついていきません。
私は4人兄弟の長女。
こんな時には使命感が湧いてきて、条件反射のように「とりあえず手伝いに行ってくる!」と家族に伝えました。
「えっ・・・僕のご飯は?」うちの浪人生が慌て、夫は冷静に「この時期に行って大丈夫?」と。
気の急く私を抑えてくれたのは、20年来の付き合いのヨガの先生。
行ってなにする?
あちらにもあちらの生活があるでしょ?
頼まれないのにしゃしゃり出るのはおせっかいよ。
歓迎されることしか想定しておらず・・・
確かに、弟の生活なんてよくわからない。善意の押し売りという言葉に頭が冷えました。
じゃあ、何ができるんだろう?
そこで思いついたのが「作り置きおかずを送る」ことでした。
作り置きおかず1週間分、デザート付き
「ぜひ!」これは快諾。
急に慌ただしくなりました。送るなら1週間分くらい作りたいから。
まずはメニュー。そういや弟家族の好みを全く知らない。
お子様メニューなら間違いない
なんか食べたいものある?と聞いた答えは「シャインマスカット!」。
えっ、おかずじゃないんだ・・・・
出鼻をくじかれつつ出した答えは、お子様メニューなら喜んでくれるはず。
女の子だから、華やかなもの、カフェっぽいのもいいのかも。ケーキも2つ保険に入れて。
メニューのポイント
- 栄養のバランス・味のバランス
- 華やか
- お子様メニュー+おふくろの味
- すぐ食べられる
すぐ食べられるよう冷蔵で送ることにします。
おかず作りと荷造りと段取り力
終了時間は宅配の締切時間!
まるで給食のおばさんになった心地です。
流れは、買い出し→調理→詰める
買い出し 半日
練った献立リストを持って意気揚々と出かけたものの、買ったものはお買い得品。習慣って怖い。
献立のバランスが崩れてちょっとパニック状態。
調 理 1日半
前夜から下味付けたり、乾物を戻したり、日持ちのするものは作っておきます。
1種類ずつ味を含ませるお煮しめは夫の大好物。はちみつ鶏やタルト生地のキッシュは次男の好物。
「なに作るの?うまそう」
そんな言葉に、うちの分もまとめて作ることにし、まるでお節料理を作る大晦日のような1日になりました。
詰める
冷えたものから容器に詰めていきます。
タッパーや保存袋、お菓子の箱といろんなサイズの容器を準備しましたが、わかったことは大は小を兼ねない。送るのはピッタリがいいということ。
「これをこれに詰めて、あれはあれ。じゃあ、それはどれ?」
次は容器を段ボールに詰めます。
形が違う容器は収まりが悪い。出したり入れたり詰めかえたり、配送時間は迫るし最後は汗が噴き出しました。
この反省から、宅配が楽になる様容器と段ボールを検討しました。↓
ここで夫に蓋を押さえてもらい、無理無理テープで止め「完成」。
まとめ
送ったものは下記14品です。
- キッシュ
- おにしめ
- 中華おこわ
- はちみつ鶏
- ヤムウンセン
- タコライスの元&チーズ&アボカド
- 野菜の辛子漬け
- アジの南蛮漬け
- サバの梅味噌煮
- ヒジキの煮物
- 錦松梅
- シュトーレン
- ヨーグルトシフォンケーキ&ホイップスプレー
- マスカット
次の日、「食べてるよ~」と写真。それから電話。
「なんていうか、味もぴったりなんです!」
そんな誉め言葉を姪からもらい疲れがスーッと抜け、つい「また送るね」って言ってしまいました。
とにかく疲れたので、もっと楽に送れないかと調べてみたら、「作り置きおかずを宅配する」という本がたくさんあるのに驚きました。
高齢の親にだったり、遠くに住む家族にだったり、手作りのおかずを宅配で届けるお仲間、結構いました。
コンビニ、弁当、総菜、デリバリー・・・食べることに困らない時代になったはずなのに、買うごはんでは満たせないものがあるって、みんな気が付いているんですね。
人を結び付ける力、元気にさせる力、暖かい温もり・・・
また、贈らなくっちゃ。