徒歩圏の寺院墓地に、一般墓を建てると決めた。
とはいえ、お寺に払う永代使用料に管理料。それから、石材店に払う墓石代。まとめるとかなりの金額になりそうで、二の足を踏む。
立派なお墓が欲しいわけじゃない。でも、安けりゃいいと言うのもちょっと違う。
どうしたものかと思いあぐねていたところ、偶然が重なり墓じまいした墓を譲り受けることとなった。これがパフォーマンス最高。貰った方は、立派なのにタダだし、譲る方は壊さなくていいからエコと、いいことづくめ。
「お墓の中古?」
そんな心配も、住職に聞けば魂抜きをしたものだから問題ないと言ってもらった。問題なし。
墓じまいや改葬に悩む私たち。値段が高いから墓なしでと言うのなら、こんな選択肢見つけた。私の親も、我が家の墓じまいした墓をリユースしたという後日談付き。
そんなタダで理想の墓を手に入れた経緯について。
タダでお墓をもらう
徒歩圏の寺院墓地に一般墓を建てると決めた。その経緯はこちら↓
散歩途中に立ち寄ったお寺。たまたま作業していた石材店の方に声をかけた。
ここのお墓も結構な値段なんですか?
まあしますね。お探しですか?
そうなんですけど。どこも高くて
実は、ちょうど墓じまいしたお墓があって、「まだ新しくてもったいないので、どなたか使ってくれると嬉しい」と持ち主から頼まれてて、よかったら見ますか?
ぜひ
話がトントンと進み、結局このお墓を譲り受けた。
墓石はタダでも永代使用料は高かった
タダでもらえるものに、ロクなものはない。全くあてにしてなかったのに意外や意外、まさに好みのど真ん中。
大きな木が木陰を作っている墓地の奥の静かな区画。落ち着いた作りの墓の前には趣のある灯篭まであって・・・「立派だね」それまで見学した中でも、特別良い雰囲気。
こんなのが手に入る?
でもよく考えると、この区画はかなり広い。墓石はタダでも、永代使用料が結構するはず。お寺に確認してみたが、やっぱり高い。トータルしたら「安く上がる」という金額ではとてもない。
ここを譲り受けるべきかどうか・・・
安くはないけど・・・出す金額から考えると、数段上等なお墓が手に入る。因みにこの墓石、新しく建てれば250万は下らないと石材店さんが言っていた。それがタダ。
「ここが自分たちのお墓なら、嬉しいよね」
お墓は継承していくもの、こんなお墓を息子たちに継承し、私たちのランドマークになるならちょっと気分が上がる。これもチャンスかも。
墓石をありがたくいただくことに決めた。
墓石のリユースには魂抜き
ここで一番心配だったのが、「そんなことをして罰が当たらないのか?」ということ。
なんせ墓石をもらうなんて聞いたこともない。それが、正規のルートに乗っていることなのかどうかが気になった。
石材店としても初めてのことだと言う。自分が作り、しかも数年しかたってないので、さすがに壊すのは忍びないと思ってのこと。
お寺の住職に尋ねてみた。
あっさりと「魂抜きという供養を済ませている墓石なので問題ない」と言っていただいた。まあ、お寺としても、新たに永代使用料が入るのだから・・・
反対に石材店は、あまり実入りがなくて申し訳ないのだけど。
タダでお墓をあげる
その後、夫の先祖のお墓を墓じまいして、このリユース墓に改装。
残ったの田舎のお墓は、その後、私の両親のお墓へとリユースした。リユース再び。
譲り受けたお墓に大満足していたので、ぜひ両親もやったらどうかと勧めたのは私。まだきれいなお墓を壊して道路の敷石にするなんて「もったいない」。
でも、私の両親も最初は「お墓をもらうなんて、やっていいのか」と難色を示した。「そんなこと聞いたことがない」と。まあそうだろう・・・
両親はすでに敷地は用意していて、あとはお墓を建てるばかり。聞いてみても特にこだわりもなさそう。ただ、時期が悪いとか、建ててもちゃんと継いでくれるかとか、いろいろ悩んで先に進めなくなっていた。
「お墓に住み心地なんてないんだから、墓石が気に入ったんならとりあえず作ったら?」と説得。
「お寺さんが良いというならいいんだろう」しだいに両親も考えを変え、今は「良いのができた」と喜んでいる。
両親の場合、お墓を移さないといけなかったので、移動費やツボを修めるカロート付きの土台を新たに作ることに。それでも、ちょっとした雑用を含めて100万円内に収まった。この金額も、お墓を作る後押しになったはず。
この墓は、長男と言わずに、兄弟誰でも入っていいことにしようと話しあった。そうすれば、みんなお墓の心配をしなくて済む。
家族の合同墓って感じ。
まとめ
中古の墓石、ほんとにおススメ。
墓じまいする側は、墓石の処分代がかからず、お墓をもらう側は、墓石が安く手に入る。費用対効果も抜群で、環境にも優しい今時のお墓じゃないかとニンマリ。